運動が起こるメカニズム③ ~前皮質脊髄路について~
いつもブログを見て頂きありがとうございます♪
今回は前皮質脊髄路についてお話していきたいと思います。
私がセラピストになってしばらくの間、主にイメージしていた下行路、麻痺になってしまう影響は「外側皮質脊髄路」だと思っていました…。
そして経験の浅いセラピストの方もおそらく同じように運動を起こしている下行路、片麻痺を作りだしているのは「外側皮質脊髄路」と考えているのではないかと思います。
もちろん脳卒中の多くの方は「外側皮質脊髄路」の一部の経路(放線冠や内包後脚など)で損傷をきたし、私たちの目の前にいらっしゃると思います。
しかし前回のブログ
で簡単にお話したように、運動をする、運動を実現して頂くためには、外側皮質脊髄路以外も考慮していく必要がありますよ♪関節運動を起こしてくれてるのは外側皮質脊髄路だけでないですよ♪
とのお話をさせて頂きました。
では本題の前皮質脊髄路についてお話していきます。
前皮質脊髄路の経路としては主に
①一次運動野から起始
②放線冠や内包後脚、大脳脚、橋などを下行
③延髄下端へ下行
(*ここで錐体交叉し、対側の側索を通り、脊髄前角へ下行していく線維を外側皮質脊髄路という!)
④錐体交叉せず、同側の前索を通り、脊髄前角へ下行
する線維のことを言います。
つまり皮質脊髄路が…
延髄で交叉する約80%の線維:外側皮質脊髄路(背外側系に分類)
延髄で交叉しない約20%の線維:前皮質脊髄路(腹内側系に分類)
ということとなります。
外側皮質脊髄路は主に対側の上下肢の遠位筋を優位に支配しているのに対し…
前皮質脊髄路は主に同側の上肢近位筋・体幹筋を支配していると言われています。
なのでみなさんも臨床上、上肢の麻痺があっても、肩甲帯の挙上や下制等の動きだけは保たれている患者様・利用者様がいるな~。
と感じる場合が多いのではないかと感じます。
その臨床所見の理由としては前皮質脊髄路は同側性であり、上肢近位筋・体幹筋を支配しているということを考えれば、起こりえる現象ということですね♪
なのでこの場合臨床上よく肩甲帯の代償がででしまうと悪いことのようにされてしまうことが多い印象ですが、生きている下行路があるということなので、それをうまく利用して上肢操作・生活動作等へつなげていくことが大切であると感じています♪
では今回はここまでにし、次回はまた違う下行路について説明していきたいと思います♪
最後までお読み頂きありがとうございました♪