運動×リハビリテーションを考える 回復期リハビリテーション病院 作業療法士 ブログ

・作業療法士8年目・回復期リハビリテーション病院に従事するOT・”運動”や”リハビリテーション”について探求・”患者様”や”利用者様”に対してのリハビリテーションに関わるにあたり、少しでも還元できるようなことや引き出しとして使えることを提供できればと考えている・

小脳について②

みなさんいつもブログを見て頂き、ありがとうございます。

本日もさっそく小脳についてお話をしていきますね♪

前回のブログ↓

http://blog.hatena.ne.jp/ot-hiramatsu-rehabilitation/ot-hiramatsu-rehabilitation.hatenablog.com/edit?entry=17391345971634746226

で、小脳は脳全体でいうと面積は小さいのに…神経細胞ニューロン)はとても多いですよ~♪というお話をさせて頂きました。

それより前のブログでは感覚入力で、上肢の動きに変化が得られました♪というお話もさせて頂いて、小脳の話をしておりますので、以前のブログも是非参照してください。

 

では、今回は小脳の中身を説明していきます。

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~図:プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖 第2版より引用~

上記の図の左に記載してあるように小脳は主に入力として…

①脊髄からの入力:脊髄小脳(以前のブログでお話したように、非意識性の感覚)

②橋からの入力:橋小脳

③前庭からの入力:前庭小脳

の3つからの入力を受けます。

簡単に説明すると

・脊髄からは非意識性の感覚を受ける

・橋や前庭はバランス機能に重要な役割を担っている場所であり、バランスなどを調整する情報を受ける

ということになります。

 

その結果、上記の図の右に記載してあるように小脳は主に出力として…

①運動遂行

②運動のプログラミング、プランニング

③体の平衡、眼球運動

を行います。

簡単に説明すると

・関節運動を実行してくれたり、補正してくれる

・運動を計画したり、一連の運動のパターンを保存して実行したりしている=要は運動の記憶を司っている

・バランスを調整してくれている

ということになります。

 

なので簡単にまとめますと…

脊髄や前庭・橋からの感覚情報を受けて、運動を発現し、同時にバランスも調整してくれているということですね♪

 

そして小脳皮質は

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~図:プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖 第2版より引用~

上記の図のような感じになっており、紫色のプルキンエ細胞という細胞が綺麗に並んでいるそうです。

 

何故綺麗にプルキンエ細胞が並んでいるかというと、先ほど説明したように小脳は運動実行や姿勢を調整してくれる運動を担ってます。

その運動に関わる情報をモジュール化してくれているといわれています。

 

どういうことかというと運動といっても、「歩く」とか「ボールを投げる」「蹴る」「ジャンプ」「しゃがむ」「物をとる」などなど数えきれない運動の種類があると思います。

その莫大にある運動を…

「このプルキンエ細胞は歩く運動を記憶して、実行・調整する」

「このプルキンエ細胞はボールを投げる運動を記憶して、実行・調整する」

「このプルキンエ細部は蹴る…」

「このプルキンエ細胞はジャンプ…」

「このプルキンエ細胞はしゃがむ…」

「…」

「…」

「…」

 

みたいな感じで一つの運動に関わる情報を整理するため・記憶するために綺麗に並んでくれているようなんです♪

とにかく運動の情報を綺麗に丁寧に記憶してくれていて・運動実行もしてくれるってことなんです♪

 

なので、例えば脳卒中の方々が運動を実行できない場合、もちろん外側皮質脊髄路などの損傷により麻痺を呈していて運動が行えなくなると思います。

そしてみなさんは恐らく、いや私はずっとこの外側皮質脊髄路をなんとか賦活するためにリハビリテーションを提供してきました!

この経路(外側皮質脊髄路)が運動を実行してくれているものだと思っていました。

 

しかし今回述べてきたように、小脳も様々な感覚情報を受けて、運動を実行してくれているんですね♪そして、運動の記憶が綺麗に並んで保存してあるんです♪

 

なので脳卒中の方のリハビリを考えるときに小脳のことも考えてほしいんです!!!!!

 

なんで?

 

・大脳皮質より小脳皮質の方が神経細胞がいっぱいあるから、運動にも大きく関与している(脳卒中はその大脳皮質から下行する外側皮質脊髄路が損傷を受ける)

・小脳にある神経細胞プルキンエ細胞)は綺麗に並んで一つ一つの運動を記憶していて、運動を実行してくれている

 

からなんです♪

 

こういったことを考えていくと…

感覚入力で上肢の操作性が変化する

っていうことはありえることになる気かしませんか?

どうでしょうか?

 

きっと、いや必ずあり得ることだと私は思ってます♪♪

みなさんのリハビリテーションを提供する幅が広がることを祈って、今日のブログはここまでにしますね。

最後まで読んで頂きありがとうございました♪